海洋電子工業株式会社

ものづくり座談会

設計・製造メンバーで語ってみた。

専門性のかけ合わせで挑む、
唯一無二のものづくり。

Crosstalk

ものづくり座談会

高い技術力をベースに、防衛現場で活躍する機器を生み出す海洋電子工業。特殊なものづくりを手がける設計・製造部門のメンバーは、電気・ソフト・機構の設計から製造という各セクションごとの専門性を活かし、密に連携しています。そんな4つのセクションのメンバーが集合し、ものづくりの流れや連携の様子から、仕事の魅力、出張や職場のカルチャーまで、自由に語り合いました。

Member

R.M.

電気設計

2021年新卒入社
工学部
電気電子情報工学科 卒

S.O.

製造

2012年新卒入社
情報システム基盤学専攻 修了

N.M.

ソフト設計

2022年新卒入社
海洋工学部 海洋電子機械工学科 卒

G.M.

機構設計・開発

2019年新卒入社
工学部 機械工学科 卒

エンジニアたちが
海洋電子工業を選んだわけ。

G.M.

普段から業務でタッグを組むこともある僕たちですが、今日はあらためてよろしくお願いします! まず、みなさんが海洋電子工業に入社したきっかけを聞いてみたいなと思います。

R.M

僕は、学生時代に電気・機械・情報・ネットワークなど、幅広い分野を学んでいたので、将来の選択肢も幅が広めでした。そんななかでも「艦艇に乗れる」仕事は珍しくて興味を持ったんです。それに、説明会や会社見学で出会う人たちがみんな優しくてフレンドリーでした。「この会社なら楽しく働けそう」と思いましたね。

S.O.

わかるなぁ。僕はR.M.くんより10年近く前に入社しているけれど、当時から社内の雰囲気は変わらず和気あいあいとしていたよ。会社見学で社内報を見せてもらったんだけど、休日に社員同士が一緒に出かけたり、みんなでバーベキューを楽しむ様子が紹介されていて。公私ともに信頼できるような社員がいる場所なんだということが伝わってきました。

G.M.

確かに、海洋電子工業のあたたかい社風は他社さんからもよく褒められますよね。僕は、防衛業界を支える仕事ってシンプルにかっこいいと感じたことが一つ。それから、社長が社員を大切にしていて、社員がのびのびと楽しそうに働いているところに惹かれて入社しました。

N.M.

実際に、社長は普段からよく私たちに話しかけてくれますよね。私は大学でプログラミングに興味を深めていたので、IT技術を活かして艦艇を支えたいと考えて入社しました。今はまさにソフトウェア開発に携われているので、その希望が叶った感じ。それから、女性技術者の先輩と話せたことも安心感につながりました。

電気・ソフト・機構の設計、
そして製造が連携する、ものづくり現場。

N.M.

海洋電子工業のものづくりは、小ロット・多品種でほぼすべての製品が特注品。それを手がける私たち設計・製造部門は、各セクションが連携しながらものづくりを進めていきます。新たに製品をつくるきっかけとしては、お客様から当社の営業に「こんな製品をつくれませんか」といったリクエストをいただくケースもあれば、当社からお客様に「こんな製品をつくれますよ」とご提案するケースも。もちろん、既存製品のリピート依頼をいただくこともあり、その時には「ここを少し変えてほしい」といったご要望に応えて、より良いものづくりを目指します。

R.M.

そうして受注が決まると、まずは僕たち電気設計のセクションが製品の構成や使用する部品を検討していきます。基本的には1製品1担当ではありますが、大型機器の場合は複数人で分担することがあります。電気設計は基板やFPGAの設計、配線の設計、ネットワーク設計など多岐に渡りますが、その中で僕はスイッチやルーターの設定などネットワークに関連することを担当することが多いです。そうして電気設計セクションである程度まで仕様を決めた上で、ソフト設計、機構設計のセクションにアウトプットして、各領域で設計を進めてもらうイメージですね。

N.M.

電気設計の方で性能を満たす構成を検討してもらった上で、私たちソフト設計は機器の動作をつくり上げていくわけですが、それを進める上で電気的な調整とソフトの調整は常に二人三脚で進める部分なので、特に密接に連携しますね。機構設計とは製品の振動計測で連携していたり、製造課とは製品組み立て手順を改善し品質向上を目指すための相談などで連携することが多いです。

G.M.

僕が最近まで担当していた機構設計は、3D CADや解析ソフトを使ってハードウェアを設計していきます。使用環境を想定して、強度・温度・組立性・整備性・操作性・コストなど、さまざまな点を考慮してバランスの良い設計を目指します。そのなかで、ほかのセクションとは使用する部品について「もっと軽いものにしてほしい」などの相談をすることも多いです。それから、UIのデザインも行うので、ユーザビリティを向上させるための相談をすることもあります。

S.O.

こうして電気・ソフト・機構の各セクションが設計したものを、実際に形にしていくのが僕たち製造課の役割です。共有された設計図や手順書をもとに部品を組み上げていきます。そこから各セクションにフィードバックして、設計を改善してもらうこともよくありますね。きちんと形にしていくためには電気・ソフト・機構の知識が必要になる部分も。だからなのか、製造課はベテランの割合が高めです。僕も以前はソフト設計を担当していて詳しいので、ソフトの設計図には厳しめかもしれません(笑)。ちなみに、僕は電気や機構の知識もつけたいと考えて、製造課へ異動を希望しました。

特別なものづくり。
0から1を生むおもしろさと責任。

G.M.

みなさんはどんなところに仕事の楽しさを感じますか?僕の場合は、例えば軽さと頑丈さといった対極となる要求をバランスよく実現していくことに、難しさとおもしろさを感じています。「あちらを立てればこちらが立たず」という状況はよくあるし、見方によって優先度も変わる。まさに正解のない世界ですが、社内レビューなどでほかの人の意見も参考にして、自分なりの正解を設計していくことが楽しいです。

R.M.

なるほど。電気やソフトの設計では「性能条件を満たす」「効率が良い」といった選択が正解と言えますが、機構設計は使う人や使われ方によって正解が変わってきますもんね。僕は入社5年目になりましたが、設計を進めるなかでは今でも初めての問題にぶつかります。その壁を乗り越えることで、新しい知識を吸収していくことがおもしろいです。僕たちの職場は若手もベテランも活発に意見を交わす文化があるので、どんどん知識をインプットできている気がします。

N.M.

その文化が成長を後押ししてくれていますよね。私は、想像以上にさまざまな機器に触れられていることが楽しいですね。ソフトはほかのセクションに比べて少なめと言われているけれど、それでも100種類以上はありますから。そして、自分が設計に携わった製品が実際に艦艇のなかで稼働して、この国を守ることに貢献しているということが何よりうれしいです。きっとこれはほかのみなさんも同じように感じているんじゃないでしょうか?

R.M.

そうだね。まさにそこは、設計・製造部門のメンバー全員に共通する喜びだと思います。ところで、僕たち設計は基本的にパソコン等を使って仕事をしていきますが、S.Oさんたち製造課は、文字通り手でつくり上げていく仕事ですよね。作業の腕前が要求されるポジションにプレッシャーはないですか?僕たちがいくら良い設計をしても、それをきれいに形にしてもらえなければ意味がないですし。

S.O.

みんなの設計を形にする役割、責任重大です(笑)。僕から見ても本当のプロだなと感じる先輩たちのレベルまで追いつくには、やっぱり10年くらい経験を積む必要があると思います。同じ手順書に沿って組み上げても、新人とベテランでは出来上がりが全然違うなんてことも。設計の意図を100%実現することが製造課のミッション。技術の熟練度合いが要求される厳しさはありますが、奥が深いからこそ、おもしろい世界です。

G.M.

それはおもしろいですね! ものづくりというのは、0を1にする仕事。自分が社会を1歩前進させたと感じられることが、設計・製造部門で働く魅力だと思います。

時には出張へ。
刺激を受けながら楽しみの時間も。

R.M.

設計・製造部門は、整備部門に比べると頻度は少ないものの出張の機会もありますよね。僕はだいたい2ヶ月に1度くらい。造船所や関係メーカー、海上自衛隊の基地などへ行くことがあります。先日は淡路島へ行ってきました。日帰りもあれば3〜4泊の出張もありますが、普段はデスクワークなので気分転換になりますし、何より現場を知れて勉強になります。

S.O.

僕も2〜3ヶ月に1度出張するペース。他社メーカーの製造支援に行くこともあります。いつもとは異なる環境のなかで学びにつながることもあり、刺激になっています。出張先では一緒に行ったメンバーとラーメン屋さんへ行くのが楽しみ。

G.M.

僕は月1くらいのペースで、北海道から南の離島までいろいろな場所へ行きます。設計・製造部門は横浜の本社にしかないので、整備とは違って全国さまざまな所へ行きますよね。整備部門との業務分担の基準としては、製品出荷から1年間の間の不具合は僕たち設計・製造部門が対応して、それ以外の不具合や定期的なメンテナンスは整備部門にお任せします。

N.M.

私は年に3〜4回の出張なので、みなさんより少ない方かもしれません。お客様先へ行くと刺激になりますね。ついでにご当地のおいしいものを食べたり、時間があれば観光したりと、楽しみながら出張しています。出張先でほかの事業所のメンバーから、地元民だけが知る素敵なお店情報を教えてもらったり(笑)。息抜きの機会にもなっています。

和気あいあいとしたカルチャーから、
より良い製品が生まれる。

S.O.

実は入社前までは、海洋電子工業を「横浜の片隅の小さな会社」だと思っていました(笑)。けれど、実際は防衛産業のなかでかなり幅広くさまざまな領域を手掛けている、想像以上にすごい会社でした。ニュースで取り上げられた艦船が「この前関わった製品が載っている艦だ」なんてこともありますし、海のなかで機密レベルが非常に高いところにまで、海洋電子工業の仕事があったりもします。

R.M.

映画でしか見たことがないようなシーンに僕らの仕事が関わっているのは、とてもおもしろいですよね。そんなふうに独自性の高い技術を誇る海洋電子工業ですが、社員同士が休日に一緒に遊ぶくらい和気あいあいとした社風。しかも、若手同士だけではなく部長クラスの方も一緒にツーリングに行くなど、年代を問わず仲が良いですよね。社員同士の距離の近さが、良いものづくりを後押ししていると思います。

N.M.

そういえば、バイクや車好きなメンバーが多いですね。私も入社1年目から愛車を持っているのですが、それは社員寮のおかげ。本社からほど近い寮に格安で住めるとあって、かなり生活が充実します。職場には温厚な人が多く、ミスをしても叱るのではなくアドバイスをくれるので、挑戦してみようという前向きな気持ちになります。それって、ものづくりを行う環境としてとても大切だと思うんですよね。

G.M.

本当にそうですね。僕は最近、開発部に異動しました。技術営業のような役割で、お客様と設計・製造部門の橋渡しをしています。設計の経験はもちろん、6年間で蓄積した自社製品の知識を活かしてお客様と接する日々です。役割は変わりましたが、今後もみなさんと協力して良いものづくりを実現していきたいですね。